日々いろいろなものを体に取り込んで生活している私たち。しかし中には体に入れることが好ましくないものもあるのが事実です。そのままにしているのはよくありません。
デトックスとは、体に溜まった毒素を排出させること。今話題の「腸内デトックス」について、それがどういうものなのか、どんな効果があるのかを見ていきましょう。
体に溜まった毒素１００％のうち、７５％は便、２０％は尿、３％は汗で、残り２％が髪や爪から排出されます。ほとんどは便として体外に出されるんですね。そして便の排出が滞る「便秘｣になると、毒素も体内に残ってしまいます。
ところで、この毒素って何でしょう？それは加工食品などに使われる添加物や、野菜に使われた農薬が残ってしまったもの（残留農薬）など、体に悪影響を及ぼすもの。
少しずつなので摂取してすぐは変化がないですが、長年の蓄積で徐々に溜まってゆき、さまざまな不調につながります。
かといって加工食品はおろか、安全な量の農薬で栽培した野菜すら食べないのは、現代の日本では非現実的。だからこそ腸内デトックスが注目を集めているのです。
では、毒素がひき起こす悪影響とは？
私たちの体には「悪いものが入ってきたら退治する」という力が備わっています。先ほどの毒素も退治すべき対象。そこで体は「活性酸素」を作り、毒素を攻撃するのです。
適量ならいいですが、多すぎる活性酸素は攻撃対象の毒素だけでなく、なんと本来守るべき細胞まで傷つけてしまいます。不必要なダメージを受けた体は代謝が滞って太りやすくなったり、血液がドロドロし血行が悪くなったり。
すると肩こりや冷え性、吹き出物などさまざまな影響が出たり、免疫力が下がったり生活習慣病の原因を作ってしまったり…といいことはありません。
活性酸素を必要以上に作らないためには、毒素を排除するのが第一。特に腸内には食べ物と共に入ってきた毒素が多いため、腸内デトックスは効果大！なのです。
すでに便秘ぎみな人は要注意。毒素を排出する力が弱くなっています。
今からでも遅くはありません、これからご紹介する方法で、きれいで健康な腸をめざしましょう。
１ 朝一番にコップ一杯の水
常温の水かぬるま湯をコップに一杯、朝起きたときに飲んでください。目が覚めてすぐ、まだ副交感神経が優位（リラックスモード)のときに水分を摂ることで、活動的な交感神経にスイッチが入ります。
すると自然に胃腸が動き出し、大腸が排便を促す動きを始めるのです。
２ 運動で腸を動かそう
運動不足で腹筋が弱ってくると、便秘がちで毒素が溜まりやすい腸になってしまいます。エレベーターではなく階段を使う、ちょっとした距離なら早足で歩く、仕事の合間にストレッチ、散歩の習慣をつけるなど、少しのことでも毎日継続！自分に合った運動方法を探してみましょう。
3 おなかのくるくるマッサージ
仰向けになり、体の力を抜きます。両手の人差し指〜薬指をおなかに当て、大腸に沿うようにマッサージ。
気持ちいいと感じるほどの力で数分間、時計回りにゆっくりと続けましょう。
４ 発酵食品のパワー
お通じを促す食べ物と言えば乳酸菌の多いヨーグルト。でも残念ながら乳酸菌は生命力が弱く、大腸に届かなかったり、届いてもあまり長時間住み着いてはくれません。だから毎日食べる必要があるのですね。乳酸菌の餌になるオリゴ糖も一緒に食べれば、より効果が得られます。
乳製品が苦手な人も諦めないで。納豆や味噌にも善玉菌を増やす作用がありますよ。
５ 食物繊維をたっぷりと
食物繊維といえばごぼうやいも類など根菜類を思い浮かべますが、これら「不溶性食物繊維」には便の量を増やし、お通じのリズムを整える働きがあります。毒素を排出させる力もあり、腸内デトックスには欠かせません。
一方、海藻類や果物、こんにゃくなどの「水溶性食物繊維」は便の水分を保ち、便通をスムーズにする働きが。どちらもバランスよく摂取するのがポイントです。
６ プチ断食のススメ
数日食べ物を絶ち、体をリセットするプチ断食。お疲れ気味の腸も、一旦休むことにより滞りがちなリズムを取り戻すそうです。
ただ単に何も食べないわけではなく、準備や回復食など細かいルールがあり、ちょっと難易度は高め。それに近所のコンビニや自宅の冷蔵庫など食べ物の誘惑の多い環境だと、挫折しそう…。
最近はプチ断食合宿コースを用意した宿泊施設や旅館もあるので、利用してみては？一人ではくじけそうでも、仲間がいれば楽しいかも知れませんよ。
７ 効果抜群の腸内洗浄！でも…
器具を使って肛門から専用の液を注入し、排便を促す腸内洗浄。効果（というか結果？）はすぐ得られるし、即問題解決しそうですが、ちょっと待って！
腸洗浄は、本来は医療行為。医師が必要と判断し行うのは問題ありません。でも自宅用キットとして販売しているものの中には注入液に水道水を使うものがあったり、そもそも知識も経験もない一般人が行うとなると、安全性に疑問符がつかざるを得ません。さらに、直後はすっきりしても、自力で毒素を排出しにくい体質自体が改善されていなければまた溜まってしまいます。
腸内デトックスは、生活習慣や食生活を見直す方法が安全で効果も長続き。腸内洗浄は最終手段と考え、どうしてもというときは医師に相談してください。
まとめ
働きが悪くなるとうつ病発症の原因になるセロトニン。ハッピーホルモンとも呼ばれるこのホルモンが、脳だけではなく腸でも分泌されていることが近頃分かってきました。「腸は第二の脳」と言われるように、腸の働きは体のさまざまな部分に影響を与えているのです。
その力を最大限に引き出すために、最良の状態に保つのが腸内デトックス。溜め込まないキレイな腸をつくれば、こころも自然にハッピーに、なんて素敵ですよね！